2008年6月16日月曜日

第8回写真ワークショップ報告

6月14日に第8回写真ワークショップが行われました。
今回のお題は「ランドスケープ」、その定義は様々ですがここでは単純に目の前に広がる景色という広い意味を採用しました。最初の30分を充てたレクチャーは「点在する風景: ランドスケープ写真の多様性」と題して、ランドスケープ写真のバラエティを大まかな時系列にお話しました。

簡単なランドスケープ写真の歴史をおさらいしたらここからが本番です。
皆さんに持ち寄っていただいた写真について皆さんで意見、感想、質問を交わします。今回は横澤典さんを始めとしてプロの写真家の方々も多く参加してくださったこともあり、かなり白熱したクリティークが繰り広げられました。そして作品自体の批評に加えて作品のプレゼンテーションの仕方についての意見交換も行われました。自分の作品を全く知らない人にどう説明するかというのは写真家の方にとって大きな課題だと思いますが、写真とは全く別のお仕事をされている参加者の方々のご意見や質問が大きなヒントになることがあります。例えば東京の夕暮れ時を捉えた写真を撮影されている写真家の方は、作品の説明としてご自分と写真の関わりについてお話してくださいました。それに対し、皆さんからは「どこで撮ったのか」「なぜ東京を撮り続けるのか」といった具体的な質問が挙がりました。写真評論家の方はそうしたやり取りを聞きながら、「作品を見る人にとっては作品の核に到達する為にいくつかのステップを踏まなければならないので具体的な情報をもっと提示した方が良い」とアドバイスされていました。一方で南国のビーチを中心にした写真を持ってきてくださった方は、ご自分で撮った写真とウェブから拾った写真を交えて音楽をつけてスライドショーで見せるというユニークな方法で発表されていました。他人と自分の写真を交えて保存・発表するという方法はプロの写真家の方々にはとても新鮮に映ったようです。

皆さんが積極的に質問や意見を交わしてくださったことでとても活気溢れるワークショップになったと思います。プロアマの垣根を越えてのディスカッションが皆さんにとって得るところの大きいものになっていたら幸いです。雨の中を参加して頂いた皆さん、本当にありがとうございました!今回残念ながら御参加いただけなかった方も次回の美術館ガイドツアー(予定)でお会いできることを楽しみにしています。

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