2008年5月7日水曜日

第6回写真ワークショップ報告

5月4日に第6回写真ワークショップが行われました。写真の歴史を学ぶと共に自分なりの写真の見方、楽しみ方を見つけようという趣旨の会、今回のお題はずばり「日本」。

まずは「日本の写真、写真の中の日本」というテーマでレクチャーをしました。日本の写真とは何か?日本人が撮ったから日本の写真? 日本の公共施設にコレクションされたものをそう呼ぶのか? それとも日本社会に貢献したもの? このような質問を踏まえてのレクチャーで、皆さんに「日本の写真」について見直しを兼ねて考えていただけたらと思いました。1848年に最初のカメラが薩摩藩を通じて輸入されてから、アートとしての発展や大衆化、プロパガンダツールを経て現代日本における写真ジャンルの境界線はますますぼやけてきているようです。

毎回お題に沿った写真をお持ちいただくようにお願いしており、今回は「自分が日本を感じる写真」をお願いしました。写真と写真家の国籍は問わず、ということでしたが私自身のセレクションを含め日本で撮影された写真が多く集まりました。外国に住む日本人だけにやはり遠く離れた土地そのものに日本を強く感じるのかもしれません。ある方は新潟への温泉旅行の際にホテルから撮った日本海と夕日の写真を持ってきてくださいました。また、出張中に訪れたラスベガスの国立公園で見た日の出の写真を持ってきてくださった方も。他の方が持ってきてくださったご家族とのお花見の写真では桜がほとんど写っていないにも関わらず、ご両親が遠慮がちに寄り添う姿や地面にブルーシートを敷いてちゃぶ台を囲む皆さんの様子等身近な日本を感じさせるポイントが見えます。皆さんのお話に共通しているのは撮影時の体験がその写真の日本的要素を強めているのではないかということです。つまり、写真そのものの中だけにコード的に日本を読み取るというよりも、温泉宿から日本海と夕日を眺める、日の出を観にいく、ご家族やご友人とお花見をする、こうした個人的な体験と相関することでその写真の日本色が自分の中でより強まるのかもしれません。また一方、参加者の方の中には子供の頃の通学路で見ていた工場地帯の風景から、畠山直哉さんの石灰工場の写真に日本を感じるという方もいらっしゃいました。

今回お忙しい中参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました!今回ご参加頂けなかった方も次回にお会いできるのを楽しみにしています。

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